SrTiO3結晶は可視域で高い屈折率(2.407 at 589 nm)をもった透明な結晶であり、光の透過帯は400nm~6μmと幅広い波長帯を透過する。無垢のSrTiO3は絶縁体であるが、ニオブ(Nb)やランタン(La)といった不純物をドープすることで導電性を持たせることもできる。導電性をもったSrTiO3結晶は、不純物濃度の増加に従い黒色に着色して透過特性を失ってゆく。導電性を持たせたSrTiO3は主に薄膜成膜基板に用いられ、基板上に成膜した結晶薄膜の電気特性評価や電子線分析時のチャージアップ解消に有用である。
SrTiO3結晶の透過率
SrTiO3結晶の屈折率
Nbドープ濃度と室温での抵抗率とキャリア密度
SrTiO3 | Nb:SrTiO3 | ||
---|---|---|---|
Nb ドープ量 |
0 | 0.05 wt% (0.1 at%) | 0.5 wt% (1.0 at%) |
抵抗率(Ω/cm) | > 107 | 7 – 10 × 10-2 | 3 – 7 × 10-3 |
キャリア密度(cm-3) | ― | 1 – 2 × 1019 | 1 – 2 × 1020 |