サファイアの機械的特性

 サファイアはダイヤモンドの次に硬い鉱物として有名であり、その特長を活かして腕時計の風防や軸受けとして利用されている。砂などがかかる過酷な環境でも傷がつきにくいため、信頼性が求められる窓としても用いられている。しかし その高硬度素材が故に加工も容易ではなく、また大きなサファイア塊(インゴット)から削り出すため加工コストがかかり、ガラス代替としては高級品の分類となる。身近なところでは、腕時計の風防のほか、スマートフォンのカメラ窓などでサファイア製窓が用いられている。

 

 

サファイア(a面)とガラスの四点曲げ強度比較
サファイア(a面)とガラスのビッカース硬度比較

 

 

 

 サファイアの機械的特性にも方位依存性があり、曲げ強度・ビッカース硬度ともにa面が高い傾向がある。腕時計用の風防も多くの場合a面素材を使用する。

 

サファイアの曲げ強度
 面方位依存性
サファイアのビッカース硬度
 面方位依存性

 

 

 

 曲げ強度は表面の仕上げ状態によっても変化する。強度を担保するためには表面の仕上げを精密研磨とすることが望ましい。

サファイアの曲げ強度
 表面仕上げ依存